海外に北海道を伝える女性


広報ウーマンにインタビュー

藤井優希さん
株式会社デイリー・インフォメーション北海道
http://www.dac-group.co.jp/dac/top.html


佐藤:本日は観光に特化した広告代理店、株式会社デイリー・インフォメーション北海道の藤井さんにお話を聞きにきました。藤井さんよろしくお願いします。

藤井さん:よろしくお願いします。

佐藤:アジアの方々に北海道を伝えている藤井さん。facebookの投稿を見ると中国語で書かれているのに驚きました。まず中国語を話せることについてお聞きしたいです。

藤井さん:高校の時、海外に行きたかったんです。進路を決める時に文教大学のオープンキャンパスで海外へ行けることを知って進学を決めました。そして入学して中国語学科に入って、在学中に中国に留学しました。

佐藤:留学というと、ヨーロッパやアメリカに行きたいと考えている方が多いように感じますが。

藤井さん:北欧も考えました。でも中国は物価が安く、長期で1年間いけるので中国に決めました。

佐藤:中国はどうでしたか?

藤井さん:すごい楽しかったです!日本に帰ってきて、今すぐ中国に戻りたい!と思うくらい。人は優しいし、食べ物も美味しいし。中国人の友人にはいろいろ助けてもらいました。大規模なデモがある時に「この場所に行ったら危ないよ」と教えていただいたり。

佐藤:人が良いと居心地いいですよね。そういえば、スピーチコンテストで上位入賞されたたとか。

藤井さん:札幌で中国語のスピーチコンテストというのが年1回あって、暗記の部で1位をいただきました。

佐藤:すごいですね。(株)デイリー・インフォメーション北海道への入社は、どうやって決めたんですか?

藤井さん:実は東京で就職活動をしていて、貿易の会社など何社か受けたんです。内定もいただいたのですが、自分がやりたい仕事ではないと感じました。インバウンドがやりたかったので、面接の時にインバウンドやりたいと言い続けて採用していただいた会社が(株)デイリー・インフォメーション北海道です。

佐藤:具体的にどんな仕事をしていますか?

藤井さん:基本的に広告の営業がメインの会社で、入社3年目までは営業をしていましたが、今は企画にシフトしています。
雑誌社からインバウンドを手伝ってほしいと依頼されるのでお手伝いしたり、他の会社に売るものを探しに行ったり。売るものが無ければ作ったりもします。他には、社内に外国人スタッフが多いのでフォローもしています。道内の取材先に、海外のライターさんと一緒に取材に行って通訳したり、取材のコーディネートをしたりもします。

佐藤:担当している媒体などはありますか?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA藤井さん:最近は香港向けに北海道の情報サイトの立ち上げに関わっています。今でも広告の営業も少ししていて、担当している媒体はこちらの4冊です。(写真参照)紫色のキラキラしている本は、香港の現地で売っている北海道のガイドブックです。人気のガイドブックで、お客さんには「キラキラ」と呼ばれています。
たまに「外国人がキラキラした本持ってるの見るんだけど、うちの店もキラキラに広告出したい」なんてお話もあって、あの本だなってすぐわかります。
それと、とても思い出深いのがタイのガイドブックです。自分で「このガイドブックの北海道版をつくりませんか?」と営業してこの本の出版が実現したんです。このガイドブックを持っている人を見ると、ついつい声をかけて記念写真を撮ったりしちゃいます。

佐藤:偶然お会いできた観光客も良い記念になりますね!それにしても、仕事が多岐にわたってますね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA藤井さん:そうなんです。自分自身、私の仕事がわからなくなりそうなので、こんな感じでまとめています。

佐藤:すごいですね。これは会社で全員やるんですか?

藤井さん:いえ、自主的にやっています。仕事が変わってきたら書き直して更新します。これを書くとどの仕事が重要なのか、どの仕事に時間を割り当てるべきなのかわかるんです。

佐藤:なるほど。これはいいですね。ところで、インバウンドの仕事についてお聞きしたいのですが。
インバウンドって外国人観光客を増やすことだったり、満足度を上げる活動というイメージですが、どんなことをしていますか?

藤井さん:インバウンドって、架け橋のようなイメージ。仕事に就いた当初は、海外の人にとっていい情報提供をと考えていましたが、最近はクライアントなど道内の人に対しても情報提供をして、win-win-winの関係づくりを意識しています。

佐藤:どんな方々と関わっているんですか?

藤井さん メーカーや自治体、ホテル、飲食店の方々などです。
海外に行く時、メーカーに代わって海外で商品PRをしたり、海外で市場調査のためのアンケートをとって結果をメーカーの方にお渡ししたりしています。
自治体については、宿泊ではなく道の駅に観光客を誘導したいという自治体もあるので、そのためのアドバイスなどもしています。
今年は市場(いちば)の方20人くらいに対して勉強会も開催しました。外国人観光客の現状をお伝えしたり、お土産品はこんなのが良いですよなどお教えしたり。例えば、海外にカニは持って帰るのは大変なので、干物など単価の高い商品をお出しした方がいいですよなどアドバイスしました。

佐藤:中国語を話す観光客に、みなさんどうやって対応してるんですか?

藤井さん:例えば中国人観光客に対応するために、はりきって飲食店さんが「10ページのメニューを全部翻訳するぞ!」とおっしゃったりするのですが、そこまでやらなくても大丈夫なんです。できるところからやりましょう、オススメの20品だけで翻訳メニューを作りましょうとお伝えしています。料理の写真に番号をつけて、20品だけメニューを作ります。観光客はそれを見て「3番を5つ」とジェスチャーで伝えることができます。

佐藤:なるほど。言葉が通じなくても、コミュニケーションできますね。

藤井さん:そうなんです。中国語ができなくてもいいんです。コミュニケーションができればいいんです。

佐藤:アジアの方にとって、北海道はどんな印象ですか?

藤井さん:北海道の人気はすごいです。香港では、日本でどこが好き?と聞くと、北海道は上位にランクインしています。海外で観光PRする日本エキスポなどでも、北海道ってだけで人が来ます。

佐藤:アジアの皆さんは、どんなルートで観光しているんですか?

藤井さん:最近台湾で流行っているのが、函館→札幌→旭川のルートです。旭川から台湾への直行便があるので、帰りは旭川から帰ります。タイの方々は札幌がメインで洞爺湖や登別など、もう1つ観光地をプラスしているようです。
香港の方々は、7〜8割が個人旅行で来るので、ルートは様々です。香港の方々は英語もできますし、ご飯に対してもお金をかけてくれます。

佐藤:そうなんですね。最近、アジア圏からの観光客が更に増えているそうですね。

藤井さん:台湾からは毎年3割くらいづつ増えています。他のアジア圏も2割くらいづつ増えています。
震災直後は本当に外国人観光客がいなかったので、今街中に外国人がいるのが本当にありがたいです。

佐藤:外国人観光客に対応しなければならないのは、お店やメーカーの方だけじゃないですよね。道民である私たちに何かメッセージはありますか?

藤井さん:実は2つあります。1つは中国語を話している人が必ずしも中国人じゃないというのを知っていただきたいです。北海道に来る外国人観光客数ランキングは、1位台湾、2位香港、3位中国、4位タイです。日本人である我々も、海外に行った時に韓国人や中国人と間違われる時ありますよね。

佐藤:ありますね。私は中国人とよく間違われて、中国語で話しかけられます。

藤井さん:そうですよね。国籍を決めつけられると、私コリアンじゃないし、チャイニーズじゃないしって思いますよね。

佐藤:確かに。決めつけちゃいけないですね。あともう1つは何ですか?

藤井さん:言葉じゃなくて、結局コミュニケーションが重要なんだとお伝えしたいです。
小樽に外国人観光客に人気のお寿司屋さんがあるのですが、その店では中国語などではなく片言の英語とジェスチャーでコミュニケーションをしています。「ディス ベリーナイス!」「ディス リコメンド!」と言いながらコミュニケーションしています。そのお店は「あの店いいよ!オススメ!」と海外で口コミが広がっています。
日本に来ているんだから日本語で話せばいいという態度ではなく、外国人アレルギーにならずに気軽にコミュニケーションしていただきたいです。外国人観光客は客単価も高いので、商売繁盛にも繋がりますし。

佐藤:確かにお店での対応とか、人の対応って大切ですね。「道聞いても教えてくれないし、冷たい対応。もう2度と行きたくない。あの国最悪!」っていう国、私はあります(笑)

藤井さん:そうなんです。今は「北海道」ってだけで海外から観光客が来てくれるのですが、リピーターになるかどうかは、私たちの対応にかかってるんです。

佐藤:なるほど。外国人観光客を受け入れたい!と考えるお店などが、今すぐできることはありますか?

藤井さん:お店の入り口や表の看板に「ようこそ!」と中国語などで書かれた紙を貼るだけでも違います。インターネット上の翻訳ソフトなどで調べて、プリントして貼るだけでいいんです。

佐藤:本格的にやりたくなったら藤井さんに相談ですね。

藤井さん:コンサルいたしますよ(笑)

佐藤:海外へは、年に何回くらい行っているんですか?

藤井さん:今年は出張2回、研修1回、プライベートで1回です。旅行が好きなんです。

佐藤:では最後に、今後の目標などあれば教えてください。

藤井さん:オフィスにいない働き方をしたいです。場所にこだわらず、自由に働きたい。取材で1週間くらい滞在したり。クライアントが海外観光客に対して出来ることって、まだまだあるんです。その辺ちゃんとサポートしてあげたいです。それをやるなら、事務所にいなくてもいいんじゃないかと感じます。それと後輩にも、やりたいことができる環境づくりをしてあげたいです。

佐藤:それくらいサポートしてくれたらクライアントも助かりますね。本日は貴重なお時間、どうもありがとうございました。

藤井さん:こちらこそありがとうございました。


編集後記:広報ウーマンネット北海道のセミナーでお会いした藤井さん。facebookの投稿が中国語なのが気になって、いつかこの人にお話を聞いてみたいと感じてました。実際にお会いしたら仕事の幅が広く忙しそうでしたが、海外の方や道内の方、後輩のことなど、まわりの人のことを考えて仕事をしている素敵な方でした。
広告営業の枠を超え道内の企業等のコンサルもしており、北海道の観光業にとって彼女のような存在は重要な人材だと感じました。北海道の良さを海外に伝え、人と人とをつなげる素敵な女性です。